「LINE公式アカウントをもっと使いこなしたい!」、「LINE公式アカウントの拡張ツールは便利そうだけど、なんだか難しそうで……」、そう思っていらっしゃる方はいませんか?
また、L DashとLINE公式アカウントの違いについて知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方々のために、この記事ではL Dashの特徴についてポイントを絞って解説していきます。LINE公式アカウントとの違いについても説明していきますので、知りたい項目からご覧いただけますと幸いです。
L Dashとは
L Dashは、LINE公式アカウントと連携させることでLINE公式アカウントの機能を拡張し、より効果的にLINE公式アカウントを運用できるようにするためのサービスです。
「Messaging API」という、友だちとのコミュニケーションをより便利にするための仕組みを利用したサービスで、導入するとLINE公式アカウント単体では使えない様々な機能が利用できるようになります。
LINE公式アカウントとの違い
LINE公式アカウントにはリッチメニューや自動応答メッセージ、リサーチなど便利な機能がたくさんありますが、L Dashを連携させることで後述する「シナリオbot」や「友だちプロフィール項目」といった便利な機能も使えるようになります。
さらに、L Dashの「クーポン」や「質問フォーム」はLINE公式アカウントで作れるものと違い、使ったり回答したりした友だちが誰なのかを特定できます。
ほかにも、L Dashの「キーワード応答」はLINE公式アカウントで設定できる「完全一致」だけでなく、「部分一致」で反応できるよう設定することも可能、といった違いが挙げられます。
このように違いはいくつもありますが、L DashはあくまでもLINE公式アカウントの拡張ツールです。本体となるLINE公式アカウントと併せて使う必要がある点には注意しましょう。
L Dashの特徴
ホーム画面を見ていただければわかる通り、LINE公式アカウントのWeb版管理画面(LINE Official Account Manager)にも近しく、すっきりとした操作しやすい構成がL Dashが持つ特徴の一つにもなっています。もう少しくわしく見ていきましょう。

(出典:L Dashホーム画面)
シナリオbot
L Dash最大の特徴の一つが「シナリオbot」機能です。シナリオbot機能を使うと、友だちに質問と選択肢をセットで送ることができます。友だちが選んだ選択肢によって、次に表示する文章や画像をあらかじめ指定しておける機能です。
選択肢の提示と選択を繰り返すことで、最終的にシナリオbotが回答を表示する仕組みで、オリジナルの診断コンテンツも簡単に作れます。
さらに、友だちが特定の選択肢を選んだ際に自動でタグを付けたり、後述する「友だちプロフィール」を自動で更新したりすることができます。
タグや友だちプロフィールは、メッセージを配信する際に対象を絞り込むのに使えるため(絞り込み配信/セグメント配信)、とても大切な要素です。

(出典:L Dashシナリオbot作成画面)
質問や結果はマウスのドラッグ&ドロップを使って簡単に作成できるので、「bot」と聞いてちょっととっつきづらく感じた方も安心です。
シナリオbotについてはこちらの記事でくわしく解説しているので、ぜひご覧ください。
友だちプロフィール項目
L DashのようなLINE公式アカウントの拡張ツールを検討されている方の中には、「もっと友だちを細かくグループ分けして、効果的なセグメント配信をしたい」「友だちのプロフィールをもっと充実させられたらいいのに」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
LINE公式アカウントの「チャット」からもチャットルームの担当者を設定したり、友だちにタグを付けたりといった機能は使えますが、L Dashの「友だちプロフィール項目」を使うと、もっと細かく分類できます。
例えば、デフォルトでは「電話番号」「メールアドレス」「郵便番号」「住所」といった4項目が設けられていますが(この項目は自由に編集・削除できます)、例えば「世代」「会員登録の有無」のようなオリジナルの項目を加えることができます。
友だちプロフィール項目の値は手動で入力することもできますが、シナリオbotや質問フォームと連携して、自動で更新するよう設定することも可能です。

(出典:L Dash友だちプロフィール項目設定画面)
対象をより絞り込んでメッセージを配信できるようになるので、ブロックされる確率を下げたり、メッセージの開封率を上げる効果も期待できます。
加えて、LINE公式アカウントを運用している方は、「より限られた通数で最大の効果を得たい」と考える方がほとんどでしょう。その点においても、メッセージ配信の対象を絞り込むことは有効に働きます。
「友だちプロフィール項目」については、こちらの記事でくわしく説明していますので、ぜひご一読ください。
クーポン
上で少し触れましたが、L DashのクーポンはLINE公式アカウントの物と違い、「利用した人を特定する」機能が備わっています。
以下はL Dashのクーポン画面ですが、「1件の使用履歴があります」と表示されていますね。
ここをクリックすると、「誰」が「いつ」そのクーポンを利用したのかが分かる仕組みです。

(出典:L Dash「クーポン」基本情報画面)

(出典:L Dash「クーポン」基本情報画面)
さらに、友だちがクーポンを使った際に自動で任意のタグを追加することもできます。後から、特定のクーポンを使った人だけにタグを付けておいて、特別なメッセージを絞り込み配信するなど、色々な使い方ができそうですよね。
クーポンについては、こちらの記事でくわしく説明していますよ。
質問フォーム
LINE公式アカウントには「リサーチ」という簡易なアンケート機能がありますが、こちらはあくまで傾向を把握するためのもので、回答と友だちを紐づけることはできません。
L Dashの質問フォームは回答と友だちが紐づくため、「誰が」「いつ」「どんな」回答をしたのかを知ることが可能です。
さらに、友だちプロフィールとの連携機能を使えば、回答を友だちプロフィールの値として自動保存することもできます。
質問フォームについては、こちらの記事でよりくわしく解説しています。
L Dashの活用例
ここでは具体的に、上で紹介したL Dashの特徴的な機能を使って何ができるかをイメージしてみましょう。
シナリオbot活用例①診断テストを作る
先にも少し触れましたが、シナリオbot機能を使えば人気の診断コンテンツが簡単に作れます。例えばユーザーの性格を診断した上で、タイプ別におすすめの商品を紹介するのもよいでしょう。
LINE公式アカウントの運用例ではありませんが、診断系コンテンツの例を挙げると、ライオンは質問に答えていくと自分に合った歯ブラシと歯の磨き方を教えてくれる「おすすめハブラシナビ」や、今の気分に関する質問などをもとにおすすめの香りを診断する「香り診断」といったコンテンツを公開しています。
こうした各社の取り組みを参考に、L Dashを使ってオリジナルの診断コンテンツを作ってみるのはいかがでしょうか。

(出典:ライオン「自分にぴったりのハブラシを見つけよう!おすすめハブラシナビ | Lidea(リディア) by LION」)

(出典:ライオン「香り診断 わたしにピッタリな香りを診断 香りラボ Designed by LION | Lidea(リディア) by LION」)
シナリオbot活用例②よくある質問に自動で返信する
シナリオbotの効果的な使い方の一つに、よくある質問に対してのシナリオを用意しておくというものがあります。
いわゆる「お問い合わせ」への対応は、人力で賄える部分とそうでない部分が出てくるでしょう。その点botなら24時間365日対応してくれるので業務負担が減りますし、ユーザー側も気軽にメッセージを送信できます。
あまりにも複雑な問い合わせには向きませんが、簡単な問い合わせはシナリオbotで対応できるようにしておくことで、対応が遅いなどの理由でブロックされるリスクも減らせるでしょう。
クーポン活用例
友だち登録の特典としてクーポンを配信するのは、LINE公式アカウントの友だちを増やす手段として定番中の定番ですが、とても効果的です。
最も手軽なのは、ユーザーがLINE公式アカウントを友だち登録した際に自動配信される「あいさつメッセージ」にクーポンを付けておく方法でしょう。
友だち追加直後は、ユーザーの関心が最も高まっている時です。「友だち登録してよかった!」と思ってもらえるような、魅力的なクーポンを付けておきたいですね。
質問フォーム活用例
「質問フォーム」という名前ではありますが、質問フォームはアンケートをとる以外にもたくさんの使い方が考えられます。新しい質問フォームを作る際に使える5つのテンプレートを見るだけでも、それが良くわかると思います。

(出典:L Dash「質問フォーム」新規作成画面)
例えば、飲食店の予約受付フォームとして使ってみるのはどうでしょう。前述の通り、質問フォームは友だちプロフィールと連携させることで、回答を個々のプロフィール画面へ自動保存することができます。
予約時に入力してもらった氏名やメールアドレス、予約日などを友だちプロフィールに紐づけておけば、友だちの名前や連絡先などが一目でわかります。質問フォームの送信時に「予約済」というタグが自動で付くように設定しておくとさらにわかりやすいでしょう。

(出典:L Dash「友だち詳細」画面)
友だちプロフィール項目活用例
友だちプロフィール項目を使えば、LINE公式アカウントにもともと備わっている機能よりも細かく、かつ自由に友だちを分類することができます。
例えば、あらかじめ「ペット」という友だちプロフィール項目を作っておいて、質問フォームでペットについてのアンケートを作って配信します。その結果をもとに、「犬」を飼っていると答えた人(=友だちプロフィールの「ペット」という項目に自動で「犬」という値が入力された人)だけにメッセージを送る、ということもできるわけです。

(出典:L Dash友だち詳細ページ)
むやみに一斉配信せず、対象を絞り込み、その人にその時必要なメッセージを届けるようにすれば、配信メッセージ数の節約になりますし、開封率アップやブロック率の低下にもつながります。
まとめ
L Dashにはほかにもユーザーがいつ、どこで配布したチラシを見て友だちになってくれたかなどがわかる「友だち登録経路」や、タブ切り替えやユーザーごとの出し分けが可能な「リッチメニュー」など、便利で使いやすい機能が多数備わっています。
それでいて、必要な機能がわかりやすくまとまっていて、「あまり複雑な画面は見たくない」という方も直感的に操作できるのがL Dashの強みです。
手軽に使えるLINE公式アカウントの拡張ツールを探している方は、まずは一度L Dashを試してみてはいかがでしょうか。
【参照・参考】
・LINE Developers「Messaging APIの概要」
・LINE API UseCase「Messaging API(双方向メッセージ送信API)」