LINE公式アカウントの「分析」機能では、メッセージを開封した人数やメッセージ内のURLをクリックした人数などが分かります。
しかし、例えばどのくらいの人数がメッセージやリッチメニューに貼ったリンクを経由して自社サイトに流入したかなどを知ることはできません。
こうしたデータを測定する方法はいくつかありますが、今回はGoogleが無料で提供しているアクセス解析ツール「Google Analytics(GA4)」を使う方法をご紹介します。
本記事では、Google Analyticsの導入やコンバージョンにまつわる設定は完了している前提で、LINE公式アカウント経由での流入やコンバージョンを計測する方法について解説していきます。
カスタムURL(UTMパラメータ)を用意する
特に何も設定していない場合、LINE公式アカウント経由での流入はGoogle Analytics上で (direct/none)と表示されます。つまり、「ユーザーがどこから流入してきたか不明」ということです。
そのため、まずはLINE公式アカウント経由での流入を正しく計測できるように準備する必要があります。具体的には、メッセージやリッチメニューにリンクを貼る際、各URLの末尾に「UTMパラメータ」を設定しておかなくてはいけません。
配信メッセージ用にカスタムURLを用意する
今回使用するUTMパラメータは以下の3つです。
- utm_source
どのようなサイトからのアクセスかといった「参照元」を判定します。今回の例では「line」と指定しています。 - utm_medium
どういった「メディア」からのアクセスかを判定します。今回は「social」と指定しています。 - utm_campaign
商品やプロモーションコードといった「キャンペーン」を判定します。運用者が分かりやすい値を指定しましょう。今回は「202406sale」と指定しています。
上記のUTMパラメータを追加したカスタムURLの例が以下になります。「?」以降がパラメータです。

カスタムURLは、URLとUTMパラメータを「?」で区切り、各パラメータを「&」でつなぐと作成できます。毎回手打ちしても良いのですが、Googleが提供している「Campaign URL Builder」を使って生成&コピーすると間違いがありません。

(出典:Google Analytics|Demos&Tools「Campaign URL Builder」)

(出典:Google Analytics|Demos&Tools「Campaign URL Builder」)
例えばLINE公式アカウントやL Dashでメッセージを配信する際、画像やメッセージをタップした際のアクションとしてWebサイトへのリンクを指定する場合も多いと思います。
その際、URL欄にカスタムURLを入力して配信すれば、そのメッセージ経由でサイトに流入した人やコンバージョンに至った人など、さまざまなデータをGoogle Analyticsで収集・閲覧することができます。

(出典:L Dashメッセージ編集画面)
リッチメニュー用にカスタムURLを用意する
リッチメニューにリンクを指定することもありますよね。その場合、メッセージだけでなくリッチメニューにもカスタムURLを指定することを忘れないようにしましょう。
以下の画像はL Dashのリッチメニュー編集画面ですが、ここでは「A」領域がタップされた際の流入などを測定したいので、リンク先にカスタムURLを指定しています。

(出典:L Dash「リッチメニュー」編集画面)

ここではリッチメニューの「A」領域にのみカスタムURLを設定していますが、もちろん複数領域の効果を測定することも可能です。その場合は、必要な数だけ別々のカスタムURLを用意し、各領域に設定しましょう。
流入数を確認する
LINE公式アカウント経由の流入数を確認するには、まず「レポート>集客>トラフィック獲得」の順に選択します。ディメンションは「セッションの参照元/メディア」を指定し、セカンダリディメンションは「セッションのキャンペーン」を指定しましょう。
その後、フィルタを使って「セッションの参照元/メディア」が「line/social」のものを絞り込めば、LINE公式アカウント経由の流入を確認できます。
LINE公式アカウント経由のコンバージョンを確認する
冒頭で触れた通り、ここではGoogle Analyticsを使ってコンバージョンを計測するための設定は完了している前提で、LINE公式アカウント経由のコンバージョンを確認する方法をご紹介いたします。
「レポート>エンゲージメント>コンバージョン」を選択し、確認したいコンバージョンを選択しましょう。あとは「流入数を確認する」と同様の手順で、確認したいパラメータの値を選択するだけです。
まとめ
カスタムURLを使うと、Google Analytics(GA4)上でLINE公式アカウントにまつわるさまざまなデータを収集・閲覧できるようになります。
設定もそう難しくありませんので、配信したメッセージやリッチメニューの効果測定をしたい方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
【参照・参考】
・アナリティクス ヘルプ「[GA4] URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する」(2024年6月17日参照)
・Google Analytics|Demos&Tools「Campaign URL Builder」(2024年6月17日参照)