例えば個人事業主の方で、既に個人向けのLINEでたくさんのお客様とつながっている方の中には「LINEの友だちをLINE公式アカウントに引き継げないの?」と疑問に思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
ほかにも様々な事情で、個人のLINEアカウントからLINE公式アカウントに切り替えたい、と考えている方がいらっしゃると思います。
一方で、既にLINE公式アカウントをお持ちの方の中には、「LINE公式アカウントを複数作って、切り替えながら使うことはできないの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、個人のLINEアカウントからLINE公式アカウントへの切り替えは可能なのかどうかと、LINE公式アカウントを複数作って切り替える方法の2点について解説していきます。
どうぞ必要な項目から読み進めていってくださいね。
個人のLINEアカウントをLINE公式アカウントに切り替えることはできない
結論から申し上げますと、個人のLINEアカウントをLINE公式アカウントに引き継ぐことはできません。個人向けのLINEアプリは個人間のやり取りを目的としたものですが、LINE公式アカウントは企業や団体から個人への情報発信やコミュニケーションを目的としたもので、性質が別物です。
管理方法もまったく別で、個人向けLINEは私たちが日常的に使うスマートフォン用の「LINE」アプリをはじめ、PCやchrome用アプリが用意されています。
一方のLINE公式アカウントは、PCからアクセスできるWeb版管理画面(LINE Official Account Manager)やはじめ、スマホ用に「LINE公式アカウント管理アプリ」という、個人向けLINEアプリとは別のアプリが提供されています。
個人向けLINEアプリとLINE公式アカウントはまったく別のサービスとして捉えた方がよいでしょう。
個人のLINEアカウントからLINE公式アカウントに誘導することは可能
それでは、「今まで個人向けLINEを仕事に使っていたけど、これからはLINE公式アカウントで効率的に情報発信していきたい」という方は、一から友だちを集めるしかないのでしょうか。
積極的な声かけや友だち追加URL・QRコードを使って友だちを集める方法もよいですが、個人向けLINEアプリに用意されている「おすすめ」機能を使えば、より効率的にLINE公式アカウントへと友だちを誘導することができます。
まずは個人向けLINEアプリで、誘導したいLINE公式アカウントとのトーク画面を開いて、右上に表示されている三本線(ハンバーガーメニュー)をタップします。

(出典:Android版「LINE」トーク画面)
上に表示されたメニューの中から「おすすめ」をタップしましょう。

(出典:Android版「LINE」トーク画面)
「トーク」一覧の中から、LINE公式アカウントを送信したい友だちやトークを選んだら「メッセージを入力」欄に、一緒に送りたいメッセージを入力します。「転送」をタップすると、先ほど選択した友だちやトーク画面にLINE公式アカウントへのリンクとメッセージが送信されます。

(出典:Android版「LINE」トーク画面)
おすすめを受信した相手には、以下のようにLINE公式アカウントのプロフィールページへのリンクと、入力したメッセージが送られています。

(出典:Android版「LINE」トーク画面)

(出典:Android版「LINE」トーク画面)
この機能を使って、個人用LINEで集めた友だちをLINE公式アカウントに誘導するのもよいですね。
LINE公式アカウントを複数持つことは可能
さて次に、LINE公式アカウントを複数開設できるのかについてですが、こちらは可能です。未認証・認証済に関わらず、1つのLINEビジネスIDにつき100アカウントまで作成することができます。
ここからは、LINE公式アカウントを複数アカウント開設することのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
LINE公式アカウントを複数持つことのメリット
LINE公式アカウントを複数管理・運用することのメリットは大きく分けて3つあります。詳しく説明していきます。
使える無料配信通数が増える
無料のコミュニケーションプランでも、月に200通分の無料配信通数が付与されます。一つのアカウントでさまざまな情報を発信している場合、例えばAという新製品の情報も、Bという店舗のキャンペーンについてもこの200通でやりくりしなければなりません。しかし、これを新製品の情報を発信するアカウントと、店舗のアカウントに分けた場合、それぞれが200通分を使えるようになります。
アカウントごとに運用担当者を分けるなど、より効率的で柔軟な運用の仕方も考えられるでしょう。
目的ごとにアカウントを使い分けられる
例えば事業ごとにアカウントを分けたり、情報発信用と問い合わせ用に分けたり、店舗ごとにアカウントを持ってもよいでしょう。
上でも商品情報と店舗情報の例を挙げましたが、このように目的別にアカウントを使い分けることでよりスムーズな運用ができるようになります。
ブロックされにくくなる
アカウントを分けることで、必要な情報を必要な人にだけ届けることができるようになります。
例えば、「〇〇というアパレルブランドは好きだけど、自宅から近いA店以外のキャンペーン情報はいらない」というケースや、「勉強法について発信しているアカウントだったから友だち追加したけど、最近は運用担当者の個人的な趣味についての発信ばっかりで、通知がうっとうしくなってきたなあ……」といったケース。
すべての情報を一つのアカウントで発信していると、ユーザーからブロックされてしまう危険性が高まるのです。
LINE公式アカウントには配信先を属性で絞り込める機能もありますが、配信対象者が100人以上使えないという制約があります。その点、あらかじめアカウントを分けておけばメッセージ配信も友だちの管理も楽になるでしょう。
LINE公式アカウントを複数持つことのデメリット
LINE公式アカウントを複数開設することは簡単で、メリットも多いです。一方のデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
管理が煩雑になる
特に、なるべく全てを一元化したい方にとっては、アカウントを分けると「管理が複雑になった」と感じられるかもしれません。
アカウントを増やす場合、LINE公式アカウントを複数人で管理する場合が多いと思いますが、応対のマニュアルやテンプレートを作るなどの工夫をすることで応対の質に差がでることを防いだり、管理のしづらさを感じる場面を減らしたりすることができるでしょう。
それぞれのアカウントで集客する必要がある
それまで運用していたアカウントとは別に新しいアカウントを作るということは、そのアカウントはまた1から友だちを増やしていかなければいけません。
元々運用していたLINE公式アカウントを使って新しいアカウントへ誘導するメッセージを配信してみたり、新しいアカウントを友だち追加すると得られるメリットを伝えるようにしてみたりするとよいでしょう。
運用方法によっては利用料金がかさむ
それまで無料のコミュニケーションプランで運用できていたとしても、いずれ月200通では足りなくなってくる時がくるでしょう。
「元々のアカウントも新しいアカウントも200通じゃ足りない!」という場合は、それぞれのアカウントを有料プランにアップグレードする必要があります。
一つのアカウントだけを一番高いスタンダードプランで運用するよりも、複数のアカウントを二番目に安いライトプランで運用する方がコストがかかる場合もあるでしょう。このあたりは慎重に検討したいところです。
複数アカウントの作り方
最後に、実際に複数アカウントを作る方法をご紹介します。PCとスマホ、どちらからも操作できるので、順に解説していきましょう。
PCの場合
まずWeb版管理画面(LINE Official Account Manager)にログインし、画面左の「アカウントリスト」の下にある「作成」をクリックします。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)
アカウントの作成画面が開くので、アカウント名や業種などの必要事項を入力していきます。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)
入力が終わったら「確認」ボタンをクリックします。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)
入力内容の確認画面が表示されるので、間違いがないか確認します。確認が終わったら「完了」をクリックで新規アカウントが開設できます。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)
次に、「LINE公式アカウントが作成されました」という画面が表示され、認証済アカウントの審査を申し込むかどうかのボタンが表示されます。審査を申し込むのは後からでも可能です。ここでは「あとで認証を行う(管理画面に移動)」を選択します。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)
「情報利用に関する同意について」という画面が表示されるので、確認して画面下の「同意」をクリックします。続いて「LINEヤフーグループへの情報提供に関する個別規約への同意について」という画面が表示されるので、こちらも確認して「同意」をクリックしましょう。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)
管理画面が表示されたら、新しいLINE公式アカウントを運用する準備は完了です。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面/LINE Official Account Manager)
スマホの場合
スマホアプリから新しいアカウントを作る場合、まずホーム画面左上に表示されている三本線(ハンバーガーメニュー)をタップします。

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)
アカウントリストの最下部の「+アカウントを作成」をタップします。

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)
画面に従って必要な情報を入力していきます。

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)
入力が終わると、確認画面が表示されます。問題なければ「アカウントを作成」をタップしましょう。

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)
次の画面で認証済アカウントの審査を申し込めます。PC版同様に、後からでも申し込めます。ここでは「あとで認証を行う」を選択します。

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)
規約への同意画面が表示されるので、確認して最下部の「同意」をタップしていきます。

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)
初期設定画面が表示されれば完了です。「はじめる」から初期設定を行うか、「×」で初期設定画面を閉じて新しいアカウントの運用を始めましょう。

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)

(出典:Android版LINE公式アカウント管理アプリ)
まとめ
残念ながら、個人のLINEアカウントからLINE公式アカウントへ、友だちなどの情報を移行する方法はありません。しかし、LINEアプリの「おすすめ」機能を使うことで、個人アカウントの友だちをLINE公式アカウントへ誘導できます。
また、LINE公式アカウントは複数開設・運用することが可能です。アカウントによって発信する情報を分けることによって、ブロックされる確率が低くなるなどのメリットもあります。ただし、運用の仕方によっては料金がかさむなどのデメリットが生じる可能性があることもお忘れなく。
新しいアカウントは、PCからもスマホアプリからも簡単に開設することができます。もちろん無料プランから利用できますので、複数アカウントの運用が気にある方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
【参照・参考】
・LINE株式会社『はじめてでもできる! LINEビジネス活用公式ガイド 第2版』インプレス,2023年6月
・LINE 公式サイトトップページ(2024年4月10日参照)
・LINE for Business「複数の LINE公式アカウントを開設することができますか。」(2024年4月10日参照)
・LINEヤフー for Business「【公式】LINE公式アカウント」(2024年4月10日参照)
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの作り方|開設の設定と運用方法」(2024年4月10日参照)