これからLINE公式アカウントを使おうと思った際、利用料金が気になる人は多いのではないでしょうか。
LINE公式アカウントにかかる料金は、主に配信するメッセージの数で決まります。この記事では、有料プランの月額料金や従量課金制についてなど、LINE公式アカウントの運用にかかる費用について説明していきます。
開設費用は無料!
LINE公式アカウントを開設するのに、初期費用はかかりません。LINE公式アカウントには、LINEによる審査を通過した「認証済アカウント」と審査不要で作成できる「未認証アカウント」の二種類がありますが、どちらも無料で開設できます。
料金プランは3つ。無料で使い始められる
LINE公式アカウントは無料で使い始められますが、月ごとに配信できる無料メッセージ数などの違いで、3つの料金プランが存在します。
3つの料金プラン、それぞれの違い
LINE公式アカウントの料金プランは、「コミュニケーションプラン」、「ライトプラン」、「スタンダードプラン」の3つです。どのプランも使える機能は同じですが、以下の図のように、プランによって無料で配信できるメッセージ数と、それを使い切ったときにさらに追加メッセージを送れるか否かが変わってきます。

(出典:LINEヤフー for Business「【公式】LINE公式アカウント(旧 LINE@)の運用費用は?料金プランを解説!」)
なおこちらの記事で、LINE公式アカウントで使える主な機能について解説しています。気になる方は併せてご確認くださいね。
2023年6月1日に何が変わった?
参考までにお伝えしておくと、LINE公式アカウントの料金プランは2023年6月1日より現在の形に変更されています。それまでは無料のフリープラン、月額5,000円(税別)のライトプラン、月額15,000円(税別)のスタンダードプランの3種類でした。
フリープランで送れるメッセージ数は1000通、ライトプランが15,000通、スタンダードプランが45,000通だったので、実質少し値上げされた形です。
特に、無料のコミュニケーションプラン(旧フリープラン)を使い続けたい人にとっては「前の料金プランの方が使い勝手がよかった」と感じてしまう点かもしれません。
どんなメッセージにお金がかかる?
LINE公式アカウントで配信するすべてのメッセージに対してお金がかかるわけではありません。例えば、1対1で行うLINEチャットや、自動応答メッセージなどは無料で使えます。
課金対象となる(無料メッセージ通数にカウントされる)メッセージは、以下の通りです。
- メッセージ配信(セグメント配信、ステップ配信を含む)
- Messaging APIの「Push API」「Multicast API」「Broadcast API」「Narrowcast API」
課金対象とならない(無料メッセージ通数にカウントされない)メッセージは以下になります。
- あいさつメッセージ
- LINEチャットの送受信
- 応答メッセージ
- Messaging APIの「Reply API」
メッセージ通数は送付人数×メッセージ数でカウントされ、1通あたり3吹き出しまで送れます。例えばコミュニケーションプランを利用していて100人の友だちがいるのなら、月2回一斉配信ができるということです。

(出典:LINEヤフー for Business「【重要】LINE公式アカウント 料金プラン改定及び日割り廃止のお知らせ」)
なお、無料のコミュニケーションプランを利用していて、知らないうちに無料範囲内のメッセージ通数(200通)に達してしまったという場合でも、自動的に有料プランに移行されたり、別途料金が請求されたりといったことはないので安心してください。
ただ、その月はそれ以上(課金対象となる)メッセージは配信できなくなってしまうので、必要であれば有料プランへの移行を検討しましょう。
有料の「プレミアムID」でできることって?
LINE公式アカウントを開設すると、ランダムに英数字が並んだ「ベーシックID」が付与されます。このIDを使えばLINE内で検索できるようになるわけですが、ビジネスで使うならIDはお店やサービスの名前にしたほうが多くの人に見つけてもらいやすくなるでしょう。
月額100円(税別)もしくは年額1,200円(税別)(※)支払うことで使えるプレミアムIDでは、希望の文字列のIDを取得できます。既に他の人が取得しているIDは使えませんが、自身のビジネスと関係のある文字列にしておけば、お客さんにとっても検索しやすく、利便性が高まります。
プレミアムIDは無料のコミュニケーションプランでも利用できますし、必要な金額もわずかです。ブランディングの観点から考えても、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
(※料金形態は購入経路によって異なります。iOSアプリ経由で課金する場合、価格や取り引き条件が異なるため、事前に確認しておきましょう。また、1つのAppleIDに付き、購入できるプレミアムIDは一つだけです)
運用費用はどのくらいかかる?シミュレーターでチェック
例えば、無料のコミュニケーションプランを使っていて、友だちが50人いた場合、友だち全員に配信できるメッセージは1ヵ月の間に4回です。これ以上配信したいのであれば、有料プランへの移行が必要になります。
とにかく手軽に始めたいのなら、ベーシックIDとコミュニケーションプランで運用していくのもよいでしょう。その場合、月にかかる費用は0円です。一方、そこそこ友だちがいてブランド力も高めたいのであれば、プレミアムIDとライトプランで運用してみるのはどうでしょうか。この場合は100+5,000=5100円(税別)がひと月にかかる費用です。
一方で、友だちが多く、30,000通以上のメッセージを配信したい場合は、必然的に唯一追加メッセージが送れるスタンダードプランを利用することになります。
スタンダードプランで送れる追加メッセージの単価は配信数によって違い、以下のように送れば送るほどお得になる仕組みです。

(出典:LINEヤフー for Business「スタンダードプラン追加メッセージ 料金テーブル」)
例えば、1,000通を追加配信したい場合は、3円×1,000通=3,000円かかります。スタンダードプランの月額料金が15,000円ですから、この月に支払うのは18,000円で、送れるのは合計31,000通です。
もしもどのプランを選べばよいか迷ってしまうという場合は、LINE公式が用意している「LINE公式アカウント 売上シミュレーター」を使って運用のイメージをつかむこともできます。
月の途中で料金プランを変更する場合
LINE公式アカウントの料金プランは、いつでも変更の申し込みができます。ただし、月の途中でプラン変更した場合でも、料金は日割り計算にならない点、ダウングレードしたい場合は申請の翌月からの適用となる点は注意しておきましょう。
アップグレードしたい時
コミュニケーションプランからライトプラン、スタンダードプランのいずれかに変更した場合、またはライトプランからスタンダードプランに変更した場合、プラン間の差額を支払うことで月内から新たなプランが適用され、差分の通数が与えられます。
次の図のように、月内にライトプランからスタンダードプランに移行した場合、支払う料金はライトプランの5,000円+スタンダードプランとの差額10,000円=15,000円。追加料金なしで配信できるメッセージ数は30,000通になります。

(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」)
ダウングレードしたい時
月内にダウングレードを申し込んでも、適用されるのは翌月からです。月内にスタンダードプランからライトプランに変更する申請をした場合、月内のうちはそのまま30,000通のメッセージを配信できます。ただし料金も変わらないので、その月はスタンダードプランの15,000円を支払う必要があります。

(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」)
支払方法は?
LINE公式アカウントの利用料金の支払いには、クレジットカードが使えます。なお、請求書での支払いは認証済アカウントでのみ可能です。
また、iOS版管理アプリで購入した場合の支払い方法は、プラットフォームが指定する支払い方法に準じます。
一点注意したいのが、スマートフォン向け管理アプリからは支払い方法の更新やプラン変更が行えない点です。スマートフォンから操作したい場合は、アプリではなくブラウザ上から行いましょう。
外部ツールの導入でさらに機能を追加する
LINE公式アカウントは単体でもたくさんの機能が使えますが、連携させることで、より便利に使える拡張ツールも数多く存在します。
LINEヤフー社以外から出ているこれらのツールを使うと、例えばリッチメニューを人によって出し分けたり、複数タブを切り替えられるようにしたりできます。
ほかにもメッセージを配信する際、LINE公式アカウント単体で使うよりも、もっと細かくユーザーを絞り込んだり、友だちになってくれたユーザー一人ひとりの情報を詳細にチェックしたりできるようになります。
ただし、こうした拡張ツールを利用する場合、LINE公式アカウントの利用料金以外に各ツールへの利用料金が発生します。もちろん無料プランや無料お試し体験期間などで使う範囲なら料金はかかりませんが、使える機能や料金プランは各サービスによって異なります。
拡張ツールを導入するにあたって、何を重視しているのかをはっきりさせておきましょう。とにかく費用を抑えたいのか、詳細な分析機能が欲しいのか。それとも、簡単に導入できて、直感的に操作できる使い勝手のよさを特徴としたツールがよいのか。
よく比較検討して、自分の利用目的に合った拡張ツールを選んでみましょう。
まとめ
LINE公式アカウントは無料ですべての機能を使い始めることができますが、一ヵ月に配信できるメッセージの通数によって3つの料金プランが設けられています。
月の途中でプラン変更の申し込みをすることは可能ですが、アップグレードとダウングレードで適用タイミングが異なるので注意しましょう。
基本的に、LINE公式アカウントの利用にかかる料金は、各プランの月額料金と追加メッセージにかかる費用(※スタンダードプランの場合)、そして(取得していれば)プレミアムIDの利用料金の3種類です。このほかに、他社の拡張ツールを利用していればその利用料金もかかってきます。
まずは無料のコミュニケーションプランから始めるのもよいですし、「LINE公式アカウント 売上シミュレーター」を使ってどのプランを利用するか検討してみるのもよいのではないでしょうか。
【参照・参考】
・LINE株式会社『はじめてでもできる! LINEビジネス活用公式ガイド 第2版』インプレス,2023年6月
・LINEキャンパス「支払い方法の登録方法と月額プランの購入方法」(2024年3月18日参照)
・LINEヤフー for Business「【公式】LINE公式アカウント(旧 LINE@)の運用費用は?料金プランを解説!」 (2024年3月18日参照)
・LINE株式会社のプレスリリース「LINE公式アカウント、料金プラン改定のお知らせ」 (2024年3月18日参照)
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」(2024年3月18日参照)
・LINEキャンパス「無料と有料の違いは?(料金プランについて)」(2024年3月18日参照)
・LINEヤフー for Business「【重要】LINE公式アカウント 料金プラン改定のお知らせ」(2024年3月18日参照)
・LINEヤフー for Business「【重要】LINE公式アカウント 料金プラン改定及び日割り廃止のお知らせ」LINEヤフー for Business(2024年3月18日参照)
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 売上シミュレーター」(2024年3月18日参照)
・LINEヤフー for Business「スタンダードプラン追加メッセージ 料金テーブル」(2024年3月18日参照)
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) 利用と請求(プラン変更やお支払い関連の管理)マニュアル」(2024年3月18日参照)
・LINEヘルプセンター「月の途中で有料プランへ変更した場合、料金は日割りで計算されますか?」 (2024年3月18日参照)
・LINEヘルプセンター「決済に失敗した場合の対処法」 (2024年3月18日参照)